2021-05-25 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第13号
背後には、あのエイズ禍で庶民に治療薬が十分届かずに多数の死者を出したと、こういう教訓がありまして、二〇〇〇年代前半のピーク時には毎年五十万人以上が感染をして、三十万人近くが死亡するという深刻な事態があった、そういう教訓から今回も強く主張されています。
背後には、あのエイズ禍で庶民に治療薬が十分届かずに多数の死者を出したと、こういう教訓がありまして、二〇〇〇年代前半のピーク時には毎年五十万人以上が感染をして、三十万人近くが死亡するという深刻な事態があった、そういう教訓から今回も強く主張されています。
それからもう一点は、私は、全面禁止まで二〇〇八年と期限を置くことによって、あの非加熱製剤の駆け込みの使用と同じような、エイズ禍で起きたと同じような、現在あるものを禁止されるまでに使っちゃおうという形の問題が必ず発生すると思います。エイズの場合でも、加熱製剤が出てくることが予測され、非加熱製剤はそれまでの間に全部使い切ろうと思ったために非常に使用量がふえました。
年齢的に申しますと、エイズ禍によりますサハラ砂漠以南で平均寿命が、サハラ砂漠以南のアフリカで九〇年代の初めに平均寿命が五十九歳であったものが、二〇〇五年から二〇一〇年には平均寿命は四十五歳に下がる見通しだと言われております。ジンバブエ、ボツワナでは九七年のエイズ有病率は、十五歳から四十九歳は約二五%、他方、ウガンダで九・五%、セネガルで一・七%というふうに承知をしております。
しかし、現在、日本の官僚制のあり方についてはさまざまな角度から論議があり、行政情報の関係では、最近の薬害エイズ禍で見られたいわゆる情報隠しで、官庁の情報管理に対する信頼は失墜しております。今国民にとって重要なのは、信頼される、信頼できる行政の確立であると思います。そのためには、情報の公開、ガラス張りの行政が早道であろうと思われます。
こうした我が国の血液自給体制の立ちおくれが、血液製剤によるエイズ禍のそもそもの原因になっておるというふうに思いますから、行政の責任は明確になっておるのではないかと思います。
ところが、そのころには既にアメリカにおきましてはエイズ禍が広く発生しつつあったわけでございます。
言ってみれば、これはもう現場の、血友病でしかもエイズ禍に本当に苦しんでいらっしゃる生の声がこの委員会で披瀝されたわけでございます。こういう御意見をお聞きになりまして、まずどのようにお考えになっているか、大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
それと私は、血友病の今回のエイズ禍は、一つの疾病の四割が医薬品から感染をしたという、恐らく日本の戦後史にもない大きい事件です。この問題を単にかわいそうだということで終わらせるのではなくて、なぜこんなことが起きてしまったのか、その原因を徹底的に究明をして、二度とこういうことが起こらないようにしてほしいのです。そのことが恐らく感染をした血友病患者の方の真の願いではないでしょうか。
そこでお尋ねをしたいわけでありますが、保田先生は、血友病患者のエイズ禍は薬害であり、かつまたプライバシーの侵害である、したがって、この法案は速やかに廃案にすべきだということを強く主張されました。十分理解できる点でございます。問題は、法律をつくることではなく、エイズに対する無理解や差別をなくすることが重要である、こういう御主張でございました。
ただ、血友病患者のエイズ禍について見ますと、これはやはりそれだけで救済だと言うには余りにもひどいことです。そういうことでは償い切れない内容があるのではないでしょうか。そういう意味で私たちは、生ずる被害の全面救済を求めているのです。だから、早急な救済措置、感染者一般あるいは患者一般に通ずるような救済措置を必要ないと言っているのではないのです。